ベルリン郊外のフリマにて2016年06月26日

ベルリンでは毎日夜はコンサートだが、昼は散歩してカフェに入り読書、というような、ゆったりした時間が流れている。今日は日曜日なので、蚤の市が彼方此方で開かれている。市内中心部の有名どころは、観光客でごった返し掘り出しものも少ない。ちょっと郊外まで足を延ばしてみた。

そこは、古い倉庫のような建物を利用した屋内市場。お客もまばらでゆっくり見て回れる。

そこで見つけのがこれ。綺麗なウォールナットでできた小振りのグランドピアノ。

kaps というロゴがみえる。ドイツの中堅のピアノメーカーの製品。ここに住んでいるなら買って、パリの左岸のピアノ工房のような所に持って行きたいものだ。とか思いながら、買ったのはこちら。ぐっと小さくなって、アーサー王の時代の王達の真鍮製のミニチュア、それに馬の張り子。



かなり値切って、いい買い物ができた。小さくてかさばらないし。

「パリ左岸のピアノ工房」 T.E. カーハート (著), 村松 潔 (翻訳)2016年06月05日



パリに暮らす米国人の著者が、パリで見つけた実在のピアノ工房を題材に、ピアノという楽器の魅力を存分に語った本。

著者は、以前、アップルで、広報担当の欧州担当トップだったらしい。そういう仕事の関係で、パリに滞在していたのであろう。

娘の学校への送り迎えの途中で、不思議なピアノ工房を見つけるが、一見さんには、なかなか、実態を見せてくれない。どんな工房なのかと探索を続けるうちに、数十年忘れていたピアノへの思いが蘇ってくる。

そのピアノの工房、実は、ピアノ好きが集う秘密クラブのような場所。職人のリュックは、さまざまな年代のピアノの修理、修復をしている。 著者は、そこで、オーストリア、シュティングル製のベビーグランドいう、素敵なピアノと出会い一目ぼれ、家に迎えることになる。

物語は、リュックとピアノ工房での出来事を中心に、シュティングルを家に迎えてからの家族とピアノの関わりにも触れながら、展開する。

ピアノという楽器の進化の歴史や、メカニズムについても教えられることが多い。私が無知だったのかも知れないが、オールドが重宝されるヴァイオリンやチェロと違い、ピアノは精密機械なので、新品のほうが良いように思っていたが、必ずしもそうではないようだ。ピアノもやはり、古いものを大切にすることで、個性のある楽器を長く使うことができる。特に、ピアノというのは家庭の中での存在感が大きく、育った家の一部として家族の思い出から切り離せない存在になっていることがあるようだ。

この本を読み終えてから、娘の家の納戸でほこりをかぶっているピアノを見に行った。亡くなった家内が子供の頃使ったもので、5年位前に私が気まぐれで練習して以来、ほったらかしだ。一応、音は出る。もう一度オーバーホールして、弾いてみようかな。
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