叡智の断片 池澤 夏樹 (著)2017年08月15日

叡智の断片 (集英社文庫) 文庫  池澤 夏樹 (著)

☆☆☆☆

毎回、テーマを決めて、テーマに関係する著名人の言葉を引用辞典から選択して、エッセイ風の読み物にするという趣向の本。テーマは、「リッチマン、プアマン」、「科学者を信用しよう」、「死について」、「悪口は楽しい」、「老人たちよ」、「自殺の誘惑」、「ナウ・ユー・ハズ・ジャズ」等々、硬軟合わせて50編位ある。

作者は、池澤夏樹さん。彼の小説も良いが、エッセイもなかな楽しい。さすが、福永武彦氏のご子息という感想は失礼だろうか。

池澤さんによると、欧米では著名人の言葉を引用するというのは、意見を示す一つの手法として広く使われているらしい。確かに、ツィッターを見ていても、欧米人の呟きには、引用が多い。日本人は他人と違う意見は極力言わない人種なので引用も流行らない、というのが池澤さんの分析。

引用をピックアップして並べるだけなら誰でもできるが、テーマについて、どんな引用を選んで、どのように論旨を展開するかが著書の叡智の見せどころである。引用には、英語原文も補足として付けられているのがうれしい。

私が気に入った引用を「音楽の捧げ物」の章からひとつ:
Music is essentially useless, as life is.
George Santayana 1863-1952

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://burnet.asablo.jp/blog/2017/08/15/8646916/tb

アクセスカウンター