「音楽」 三島由紀夫著2017年05月19日

三島由紀夫は、自分は音楽がわからないと宣言している。その三島が、タイトルに「音楽」と付けた小説。いったい音楽がどのように関係しているのだろう。

性的なトラウマが原因で不感症とヒステリー症になっている主人公の女性。その治療にあたる精神分析医が、事件の謎を解く推理小説の探偵のように描かれる。主人公の女性、セックスで感じたときは音楽が聞こえてくるという。タイトルに音楽と付けられた理由は、それだけ。さすがに、音楽はわからないと宣言する三島らしく、安直な「音楽」の使い方である。

病気の背後にある兄妹の隠された関わりが徐々に解き明かされていく小説のプロットは、精神分析についてよく勉強しているようで、大きな破綻はなく、まあそれなりに読むことはできる。とはいえ、取り立てて面白い物語でもなく、三島の著作としては駄作なのだろうと思う。

三島由紀夫は、本当に音楽とは縁がなかったのだなと、この小説を読んで実感。文学や美学にあれだけ造詣が深いのに、音楽がわからない。この違いはどこにあるのだろうか。

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