チェロレッスン 67回目2017年05月06日

発表会が一週間前の4月29日にあったため、3週間ぶりのレッスンである。

その発表会での私の演目は、以下の4曲:
弦楽アンサンブル
Johann Stamitz: Sinfonia in G major, WolS III.QS-3
チェロアンサンブル
Joseph Haydn: Divertimento in D major for Cello Trio
ソロ+ピアノ伴奏
Antonio Vivaldi: Cello Sonata in B-flat major, RV 47
大合奏(Vn, Va, Vc, Fl, 総勢 35名)
Georges Bizet: 歌劇「カルメン」第1組曲より、闘牛士の歌

アンサンブルは楽しめたが、ソロは出だしでまさかのミスをして動揺、その後も音程を外して惨憺たるできだった。確かに本番では、何が起こるかわからない。貴重の経験だった。

今日のレッスン内容は、発表会の準備が無くなり、もとのメニューに戻り、盛りだくさん。教本では、Werner II のp88, Lee 40 Melodic study のNo.5、Feuillard の No.37、その後、新しく取り組んでいる Vivaldi Sonata No.3 の第1楽章とみていただく。Vivaldi のSonata はNo.1 で随分練習したので、No.3は楽勝かと思いきや、思いのほか難しい。同じような曲想なのだが、応用が利かないのは、まだ技術の習得が浅いのだろうと思う。

前回の練習時にバッハの無伴奏も始めたいと申し出たのだが、Vivaldi で苦戦したため、取り組む余裕はなかった。少しずつでも取り組みたいと思う。

小説家の休暇 三島由紀夫2017年05月09日



☆☆☆☆

三島由紀夫の作品を読むのは何十年ぶりだろう。「金閣寺」、「潮騒」、くらいは読んだが、あまり波長の合わない人なので、それ以上、特に読みたいと思ったこともなく年月が過ぎた。過日、岡田 暁生さんの「音楽の聴き方―聴く型と趣味を語る言葉」を読んでいて、三島のこの本の内容に触れたところがあり、興味を持った。

この本は、「小説家の休暇」という日記風の読み物に、文学、演劇、美術などに関するエッセイを加えた文庫本である。

岡田さんがこの本に言及したのは、三島が音楽に対する警戒感を表しているくだりである。「小説家の休暇」のなかで、三島曰く、 「理知と官能との渾然たる境地にあって、音楽を楽しむ人は、私にはうらやましく思われる。音楽会へ行っても、私はほとんど音楽を享楽することができない。意味内容のないことの不安に耐えられないのだ。」 この気持ちは、よくわかる。三島ほど物事を突き詰めて考えない私は、音楽が楽しいことの根幹には、意味内容があり、それを自分はわかっているようなふりをして、自分をごまかして済ませているのだと思う。だから、ポピュラー音楽ではなく、少し高尚に見えて自分を納得させられるクラシック音楽を愛しているのだろう。さらに、三島は言う、「音楽に対する私の要請は、官能的な豚に私をしてくれ、ということに尽きる。だから私は食事の喧騒のあいだを流れる浅はかな音楽や、尻振り踊りを伴奏する中南米の音楽をしか愛さないのである。」

 ところで、三島には、「音楽」というタイトルの小説があるのだが、音楽とどうかかわる小説なのだろう。読んで見たいと思う。

音楽に対するこのような態度も含め、このエッセイ集からは、三島という人物の自分を胡麻化さない真摯さがよくわかる。実は、この本、私には難しすぎて、かれの芸術論の30%も理解できていない。凄く、濃度の高い、知的な本である。三島がこれほど博学な人であったとは知らなかった。それでも、彼の芸術に対する思いの真剣さだけは痛いほどわかる本であった。

エッセイ集の最後の、「日本文学小史」は、古事記、万葉集、古今和歌集、懐風藻、と論じ、源氏物語の途中で、彼の死により終わっている。 芸術と政治の関係性にも、文学史を通して鋭い考察が行われ、「懐風藻」の大津皇子の歌から読み取られる感慨を、「ひとたび、叛心を抱いた者の胸を吹き抜ける風のものさびしさは、千三百年後の今日のわれわれの胸にも直ちに通うのだ。この凄涼たる風がひとたび胸中に起こった以上、人は最終的実行を以てしか、ついにこれを癒やす術を知らぬ」、と記している。これがどれだけ彼の魂からの思いであったのかは、三島事件で明らかになった。

ちなみに、大津皇子の辞世の句「ももづたふ磐余(いわれ)の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ」は、ショスタコーヴィチの歌曲「6つのロマンス」(あるいは、「日本の詩人の詩による6つの歌曲」)の中の第2曲「自害の前の歌」の歌詞になっている。とても悲しい歌曲である。22歳のショスタコーヴィチがどうしてこんなに悲しい歌をと思う。100年も前に、ロシアで日本の奈良時代の歌が知られていたというのも驚き。

サロネン指揮 フィルハーモニア管弦楽団 @芸術文化センター2017年05月16日

サロネン、フィルハーモニア、それにチョ・ソンジン、凄いタレントに大いに期待が膨らむ。会場の兵庫芸術文化センターに行ってから気が付いたが、席は前から5列目くらいの真ん中で、最高の席だった。随分、前にチケット取ったから忘れていたのだが、手配していた自分を褒めた。偉いよ。

前半は、チョ・ソンジンのピアノで、ベートーヴェンのピアノコンチェルト3番。繊細で陰影のあるピアノで、美しくまとまっていた。だが何と言っても、圧巻は後半のマーラー6番。サロネンのダイナミックでかつ柔らかな指揮、オーケストラが見事に応えて、凄まじい迫力と美しい調和の同居する音の世界に痺れた。言葉にならない感動。ブラボーの嵐。

2017年5月14日(日)
芸術文化センター KOBELCO大ホール
指揮 エサ=ペッカ・サロネン
ピアノ チョ・ソンジン
管弦楽 フィルハーモニア管弦楽団
プログラム
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調
マーラー:交響曲 第6番 イ短調 「悲劇的」
アンコール曲
ドビュッシー:「子供の領分」より 人形のセレナーデ

「音楽」 三島由紀夫著2017年05月19日

三島由紀夫は、自分は音楽がわからないと宣言している。その三島が、タイトルに「音楽」と付けた小説。いったい音楽がどのように関係しているのだろう。

性的なトラウマが原因で不感症とヒステリー症になっている主人公の女性。その治療にあたる精神分析医が、事件の謎を解く推理小説の探偵のように描かれる。主人公の女性、セックスで感じたときは音楽が聞こえてくるという。タイトルに音楽と付けられた理由は、それだけ。さすがに、音楽はわからないと宣言する三島らしく、安直な「音楽」の使い方である。

病気の背後にある兄妹の隠された関わりが徐々に解き明かされていく小説のプロットは、精神分析についてよく勉強しているようで、大きな破綻はなく、まあそれなりに読むことはできる。とはいえ、取り立てて面白い物語でもなく、三島の著作としては駄作なのだろうと思う。

三島由紀夫は、本当に音楽とは縁がなかったのだなと、この小説を読んで実感。文学や美学にあれだけ造詣が深いのに、音楽がわからない。この違いはどこにあるのだろうか。

チェロレッスン 68回目2017年05月20日

Werner No.23
Werner のNo.22(写真)は、 装飾音の練習。前打音を付けた音が、短3度、長3度、完全4度、完全5度、長6度などいろんな音程で動くので、音感の悪い私は、音を取るのに随分苦労した。メロディがないぶん、余計に難しい。音を覚えるまで、何時間も費やしてしまった。

Lee は、No.5 が終了。これは、レガートの練習ということで、弓を全部使って弾くのがポイントだった。この教本の曲はどれも美しい。

Fuillard はNo.37 (手首で弾くスタッカートの練習)は、先生とデュエットして終わり。No.38は、ポジション移動したときに、音程が悪いところがあり持越し。

Vivaldi のSonata No.3 は、第2楽章まで弾いた。まだ、譜読みができた低dで、完成までは時間がかかりそう。

時間のかかる課題が沢山あり、せっかく楽譜を貰った無伴奏プレリュードだが、なかなか、着手できない。来週は、ベルリンに旅行するし、当面、お預け。7月はレッスンが3回できると言われたので、それまでには、さらってみようと思う。

2017年05月26日(金)00:27 ドレスデンでのロンドンフィルとイッサーリス2017年05月26日

22日の夕方、いつものベルリンのホテルに着き、翌日は、ロンドンフィルとイッサーリスの公演があるドレスデンに向かう。

8時からの公演まで時間があるので観光。ゼンパーオーパー オペラハウスのEnglish guided tour に参加。ルネッサンス様式の造りやギリシャ神話を題材にした天井画などまことに美しい。次回はここでオペラを観よう。余談だが、同じガイデッドツアーに1人で参加していたロシア女性、劇場の美しさに頻りに感嘆し、劇場を背景に自分を写す構図を決めて、私にシャッターを依頼してきた。撮りながら、感じたが、劇場に劣らず美しい女性だった。

その後は、ドレスデン美術館に何気なく入ったけど、ここでまた、素敵な女性たちに遭遇してしまった。ゴーギャンの「パラウ アピ」である。ゴーギャンの描くタヒチの女に昔から魅せられているのだが、ここは人が少なくて、独占状態で見とれることができた。タイトルは、what's new? って訳していた。

さて目的のコンサート、イッサーリスの情熱的なプロコフィエフの演奏が堪能できた。アンコールの鳥の歌も素敵な音色だった。演奏後、大喝采のなか、若手音楽家の教育への貢献で表彰されていた。今回のコンサート、ドレスデン音楽祭のトリだったようだ。写真は受賞スピーチで、子供への音楽教育はその後の人生を豊かにすると熱弁中のイッサーリス。

ブログラムの後半はショスタコーヴィチの15番。この作品、彼の人生を描いた作品?子供の時の思い出のウィリアムテルのテーマから始まり、激動の時代を経て、静かに消え入るように終わる。



会場:
ドレスデンコンサートホール
出演者:
Steven Isserlis, Vladimir Jurowski & London Philharmonic Orchestra
ブログラム:
Glinka, Waltz Fantasia
Prokofiev, Cello Concerto
Shostakovich, Symphony 15

エルサレム四重奏団とシフ2017年05月26日

24日はドレスデンからベルリンへの帰り道、ライプチッヒで途中下車。バッハの古巣、トーマス教会による。見学してたらミサが始まり、素晴らしい響きでミサ合唱を鑑賞できた。その後は、向かいにあるバッハ博物館でバッハの勉強。バッハ家の歴史を知り、直筆の楽譜を見たり、古典楽器の音を聴いたり、素晴らしく内容の濃い博物館であった。


夕刻ベルリンに戻ってから、エルサレム四重奏団とシフの、
Weinberg, Brahmsの Piano Quintet を聴いた。この五人、息の合い方素晴らしく、それぞれの独奏部分も魅力的。Weinberg の最後、マネキン状態で数秒間停止。楽譜に休符の小節あるのかな?
エルサレム四重奏団の
チェリストさんの楽器は、デュプレが使っていたものらしい。確かに、美しい音色だったな。

日時:2017年5月24日
場所:Kammermusiksaal - Berliner Philharmoniker
出演者:
Jerusalem Quartet and András Schiff
プログラム:
・Franz Schubert
Quartet Movement in C minor D 703
・Mieczysław Weinberg
Piano Quintet op. 18
・Johannes Brahms
Piano Quintet in F minor op. 34

ムーティのベルリンフィル2017年05月26日

25日はドイツは祝日なので、私は関係ないけど、周りの雰囲気につられ、シュラハテンゼーという郊外の湖に散歩に行った。実はここで写真を撮っていたらスマホを湖に落とすという事故が発生。腹這いになって引き揚げた。防水スマホ素晴らしい。

夜はムーティ指揮のベルリンフィル。シューベルトとチャイコフスキーのそれぞれ4番。とにかくムーティのオーラが凄い。オケも聴衆も完全に心を掴まれた。至福の時。

支配者ムーティ、静かなメロディーのところで、観客が咳き込んだら、横目でちらっと睨んで首を振ったのは、怖かった。観客も演奏のできに責任あるんだぞと言ってるみたい。

しかし、ベルリンフィルがこんなに楽しそうに演奏するの始めてみた。みんな楽しくてたまらんという感じで笑みを交わしてた。3楽章ピチカートのとこなんか、自分が休みの間、他の楽器の演奏に魅了されている。

観客、楽章毎に拍手しそうになるを堪えて、最後は総立ちのブラボー。写真はオケが引き揚げた後もなりやまぬ拍手に応えるムーティ。

今日のベルリンフィルのプログラムは、シューベルト4番とチャイコフスキー4番。明後日は、ムッターを迎えて、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲と交響曲4番。なので、4番もう一度聴ける。

ベルリン・コンツェルトハウス四重奏団2017年05月29日

5月26日は、日下紗矢子さん率いるベルリン・コンツェルトハウス四重奏団の演奏会に行った。

会場の コンチェルトハウスは、200年前に建造され先の大戦で破壊されたが、終戦後に再建された美しい建物である。大小二つのホールがあり、毎日のようにコンサートが開催されている。この日も、両ホールとも公演が行われていた。

室内楽の小ホールでも、四、五百人入るのだが、満席だった。ベルリンの人が如何に音楽好きかがわかるし、日本の女性率いるクワルテットが本場で堂々と観客を集めているのにも感動した。十分観客の期待に応える演奏だったと思う。

会場: Konzerthaus Quartett Berlin,
日時:Fri 05.26.2017
出演:KONZERTHAUS QUARTETT BERLIN
 SAYAKO KUSAKAVioline
 JOHANNES JAHNELVioline
 AMALIA ARNOLDTViola
 FELIX NICKELVioloncello
プログラム:
・Haydn, Franz Joseph
 String Quartet in D Major, op. 76, no. 5, Hob. III:79
・Janacek, Leos
 Streichquartett Nr. 1 ''Kreutzersonate''
・Beethoven, Ludwig van
 Streichquartett Nr. 16 in F-Dur, op. 135
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